技術の概要
本工法は、老朽化した下水道管きょを非開削で既設管内に新しい更生管を形成する工法です。
更生材料の基材別に区分した下記の2工法があります。
◆SDライナー工法<F+VE>: 基材に不織布を使用
◆SDライナーⅡ工法<G+VE>:基材に耐酸ガラス繊維を使用
どちらの工法も耐薬品性に優れたビニルエステル樹脂を使用しています。
どちらの工法も「管きょ更生工法における設計・施工管理ガイドライン-2017-版」に 対応しています。
適用範囲及び特徴
工法名 | SDライナー工法 <F+VE> |
SDライナーⅡ工法 <G+VE> |
---|---|---|
適 用 管 | 本 管 ・ 取付管※1 | 本 管 |
機 能 分 類 | 自立管 ・ 二層構造管※2 | 自立管 |
施 工 方 法 | 本 管:反転工法・形成工法 取付管:反転工法 |
本 管:形成工法 |
硬 化 方 法 | 熱硬化(温水・蒸気) | 熱硬化(温水・蒸気) |
管種 | 鉄筋コンクリート管、陶管、 鋼管、鋳鉄管 |
鉄筋コンクリート管、陶管、 鋼管、鋳鉄管 |
管径 | 本 管:φ200~φ700※3 取付管:φ125~φ200※4 |
本 管:φ200~φ800 |
施 工 延 長 | 本管(反転工法):112m 本管(形成工法): 75m 取付管:15m |
本管φ700以下:75m 本管φ800以下:50m |
特長 | 反転工法は、一体化更生が可能 | 耐酸ガラス繊維を 軸方向及び周方向に均等に配置 |
※1 取付管は、「管きょ更生工法における設計・施工管理ガイドライン-2017-版」対象外です。
※2 二層構造管は、「管きょ更生工法における設計・施工管理ガイドライン-2017-版」対象外です。
※3 「管きょ更生工法における設計・施工管理ガイドライン-2017-版」に定める評価項目について確認した管径は、φ200~φ600です。
※4 取付管φ125は、二層構造管のみ対応です。
※2 二層構造管は、「管きょ更生工法における設計・施工管理ガイドライン-2017-版」対象外です。
※3 「管きょ更生工法における設計・施工管理ガイドライン-2017-版」に定める評価項目について確認した管径は、φ200~φ600です。
※4 取付管φ125は、二層構造管のみ対応です。
施工適用表
工法名/施工方法 | 本 管 | 取付管 | 一体化更生 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
反転 | 形成 | 反転 | 反転 | 形成 | ||||
温水 | 蒸気 | 温水 | 蒸気 | 温水 | 蒸気 | |||
SDライナーⅡ工法 (G+VE) |
- | - | 〇 | 〇 | - | - | - | - |
SDライナー工法 <F+VE> |
〇 | - | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | - |
材料構成(本管・取付管)
SDライナーⅡ工法<G+VE>
SDライナー工法<F+VE>
技術の特徴
特徴
1
施工性
(次の条件下で施工可能)
本 管 SDライナー工法<F+VE> SDライナーⅡ工法<G+VE> |
---|
◇屈曲角 10°以下の継手部(φ700以下) ◇屈曲角 5°以下の継手部(φ800以下) ◇段差 25mm以下の継手部 ◇横ズレ 25mm以下の継手部 ◇隙間 100mm以下の継手部 ◇100mm以下の部分滞留水 ◇水圧0.05 MPa,流量 2L/min以下の侵入水 |
取 付 管 SDライナー工法<F+VE> |
---|
◇曲がり角 45度以下の曲管 ◇段差 15mm以下の継手部 ◇隙間 50mm以下の継手部 ◇水圧0.05 MPa,流量 2L/min以下の侵入水 |
特徴
2
耐荷性能
試 験 項 目/工 法 名 | SDライナー工法 <F+VE> |
SDライナーⅡ工法 <G+VE> |
|
---|---|---|---|
偏平強さ又は 外圧強さ |
φ600以下 | 下水道用硬質塩化ビニル管 (JSWAS k-1)と同等以上 の偏平強さ |
下水道用硬質塩化ビニル管 (JSWAS k-1)と同等以上 の偏平強さ |
φ700以上 | - | 下水道用強化プラスチック複合管 (JSWAS k-2)(2種)と同等以上 の基準たわみ外圧および破壊外圧 |
|
曲げ強さ | 第一破壊時の 短期曲げ応用度 |
25 MPa以上 | 25 MPa以上 |
第一破壊時の 曲げひずみ |
0.75%以上 | 0.75%以上 | |
長期試験値 | 8 MPa以上 | 70 MPa以上 | |
曲げ弾性率 | 短期試験値 | 平板:2,800 MPa以上 円弧:2,100 MPa以上 |
8,000 MPa以上 |
長期試験値 | 1,500 MPa以上 | 7,000 MPa以上 |
特徴
3
耐久性能
試 験 項 目/工 法 名 | SDライナー工法 <F+VE> |
SDライナーⅡ工法 <G+VE> |
---|---|---|
耐薬品性 | 「浸漬後曲げ試験」の耐薬品性を有する 下水道用強化プラスチック複合管(JSWAS k-2)と同等以上 の耐薬品性を有する |
|
耐摩耗性 | 下水道用硬質塩化ビニル管(新管)と同等程度を有する | |
耐ストレインコロージョン性 | - | 0.45%以上 |
耐劣化性 | 8 MPa以上 | - |
水密性(内外水圧) | 直管部で、0.1 MPaの内水圧および外水圧に耐える 水密性を有する |
特徴
4
耐震性能
試 験 項 目/工 法 名 | SDライナー工法 <F+VE> |
SDライナーⅡ工法 <G+VE> |
|
---|---|---|---|
曲げ強さ | 短期試験値 | 平板:40 MPa以上 円弧:35 MPa以上 |
150 MPa以上 |
引張強さ | 短期試験値 | 25.5 MPa以上 | 90 MPa以上 |
引張弾性率 | 短期試験値 | 2,700 MPa以上 | 7,000 MPa以上 |
引張伸び率 | 短期試験値 | 0.5 %以上 | 0.5 %以上 |
圧縮強さ | 短期試験値 | 100 MPa以上 | 70 MPa以上 |
圧縮弾性率 | 短期試験値 | 2,750 MPa以上 | 4,500 MPa以上 |
特徴
5
水理性能
成形後,2時間以内に収縮が収まり安定する
特徴
6
耐高圧洗性浄
更生管は,15 MPaの高圧洗浄で剥離・破損がない
特徴
7
既設管への追従性
更生管は,地盤変化にともなう既設管への 追従性を有する
1.5%の引張,1°の屈曲,内水圧0.1MPa の試験下において, 漏水及び内水圧の変動なし
特徴
8
材料特性(ビニルエステル樹脂)
下記項目において規定値以上(合格)
・曲げ強さの短期試験値 100 MPa以上
・破断時の引張伸び率 2 %以上
・負荷時のたわみ温度 85 ℃以以上
※SDライナーⅡ工法<G+VE>の曲げ強さ及び曲げ弾性率は,軸方向及び周方向で試験を実施